ノートブック

おっちゃん(藤本文彦氏)との芝居はおもろい!

「失敗したときにうまくごまかせるようになったらプロの役者として一人前なんやで」とお酒を飲みながらよく話してくれはった。

さてある日の公演中(『冒険者たち』)。
おっちゃんのガクシャと、ヨイショとガンバとチュータが船底で出会ってしゃべってるところへ、私のイダテンが物陰から飛び出して「イカサマ知らねえか?」という場面。

私はスタンバイして出番を待った。物陰で人形を構えて、出のキッカケゼリフを待っていた。
が、一向にそのセリフが聞こえてこない。
なんか、ぼろ船だとかこんなんでだいじょうぶかとか、ガクシャとヨイショが愚にもつかないことをしゃべってる。
つぎの瞬間、出をトチった自分に気づいた。
 Σ( ̄ロ ̄lll)
大失敗にカァーっとなり、ガバッと飛び出したイダテン(私)にガクシャの優しい声がかかった。

「おお 来たか来たか」

またある日。
かなりおっちゃんの晩年(飴買い幽霊)で六兵衛役のおっちゃんが、セリフを一瞬忘れはった。
無くては困るセリフやったので、黒子頭巾の下の私は人形は保持したままそっとおっちゃんにセリフを耳打ちした。

その瞬間人形の六兵衛さんが
「ああ、そうそう」

おっちゃんと芝居をするのはほんまにおもろかった。私もそちらに行ったらまたいっしょに芝居してな、おっちゃん。

この文書は、ウェブサイトえだまつこずえ事務所に掲載されたものです。